孫子の兵法の中に「将、吾が計を聴きて之を用うれば、必ず勝たん」と言う内容がありますが、「悲観的に準備して、楽観的に行動する」と言う解釈になるそうです。
近年は異常気象によりこれまでに経験がない、大雨、高い気温、台風の逆軌道等、異常な気象状況が相次いでいますが気象庁からの情報でその規模や状況を想定して避難指示や勧告が出されていますし、企業もそれに従いお客様の安全の確保や事業継続計画を策定して実行に移すことになります。
上記孫子の兵法の様に、あらゆる悲観的な状況を想定して準備をして行動に移すことになりますが、現在の異常な気象状況にはどこまで悲観的に想定できるかが、経営者の危機管理の考え方になってくると思います。
今回の台風ではホテルのレストランの窓ガラスが高波により突き破られてケガ人が発生してしまいましたが、細かいことは分かりませんが、ニュース映像を見るともしかして食事中だったのではないかと想像しました。
気象庁の情報では今回の台風はこれまでに無い軌道を描いて移動し、風の向きも逆方向で何が起こるか想定できないから気をつけて欲しいと再三言っていました。
その情報に基づき、通過すると想定される地域では花火大会や行事が中止や延期になる事態になっていました。
窓ガラスが割れたホテルの責任者は「想定外」と言っていました。確かに台風の状況そのものはこれまでにない様な動きでしたので想定できない状況だったと思います。
しかし、もう少し踏み込んで悲観的に考えてガラスに波が打ち付けてくる想定や、津波が押し寄せてくる最悪な事態を想定して会場を変えるとかしても良かったのではないかなと思いました。あくまでも個人的な見解ですが…
責任者はどのくらいの悲観的な考え方ができて、想定される対策を立てられるか難しい判断にはなりますが、とにかく人命第一に行動を起こすことが重要になると思います。
当社においても営業中は少なくとも従業員の命を預かっている訳ですから、正しい判断により指示が出せるように「将、吾が計を聴きて之を用うれば、必ず勝たん」を忘れずに行動したいと思います。